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ミノキシジルゲル開発にあたり

世界初「ゲルタイプ」のミノキシジルとは?

ミノキシジルは男性型脱毛症に有効な治療薬です。
しかしながら、ミノキシジルは液体であるが故に生え際にとどめさせることが難しく、生え際では有効的な活用ができていない状態でした。そこで、F.M.L.関連医療施設は、聖マリアンナ医科大学の井上 肇 准教授と世界初の『ミノキシジルゲル』を共同開発しました。
『ミノキシジルゲル』は柔軟性と弾力性を兼ね備えた吸水性高分子素材(ゲル)で構成されており、リキッドタイプのように患部から流れ落ちることがなく、適応部位への滞留時間を長く確保できる画期的な治療薬です。しかし、この『ミノキシジルゲル』の開発は、ミノキシジルの化学構造上、一筋縄ではいきませんでした。

使い心地にこだわって考案しました。

井上 肇

 軟膏やローションなどを総称して外用剤と呼びます。飲み込んで効果を期待するもの以外、早い話しが指で必要な箇所に「塗る」と言う操作をする医薬品は全て外用剤。結構巷には普及しています。皮膚に限定すれば、「虫刺され」、「かぶれ」から始まって育毛・発毛ローションまで、実に多くの製品があります。これら外用薬で最も重要視されるのは?勿論効果と言いたいところですが、実際は使い心地(すなわち使用感)です。使用感が悪いと、どんなにその外用薬が有効でも、患者さんは継続使用してはくれません。一般的に外用薬は長期的に使う場合が多く、一回だけの使用ならば、我慢して頂けても、1ヶ月、半年等と言うスパンで連日使用するとなると話しは別です。頭髪につける外用薬もその典型です。必要な場所に限定して使用したくても、「額に流れて目に入りそう!」何て事は誰でも経験していると思います。そして次に考える事は、「額に毛が生えたら?目から毛が出たら痛そう」などと、おおよそありもしない非現実的な副作用に想像をたくましくします。
 ミノキシジルゲルもそんな悪い想像から患者さんをお守りできるような剤型として考案しました。

ミノキシジルはわがままな物質。

 ミノキシジルの効果は折り紙付きですが、薬屋にとっては厄介な化学構造のわがままな物質です。水には殆ど溶けない。アルコール類には僅かだけ。溶ける溶媒(溶かす液体)は極めて限られています。しかも、割合不安定なので、ビタミン等を利用して保存性を良くしようとすると色がついてしまう。無理矢理溶かし込んで、頭皮に使うと、乾燥すると頭皮が白く粉を吹いてしまったり、それを防ぐために脂っぽい溶媒を使うと使用感が凄く悪くなったり。
 単純に軟膏基剤にミノキシジルを練り込むだけならこんなに苦労しないのに!等と考えながら!
 私の元々の専門は再生医学で、製剤学の知識は少し化石化していましたが、「頭皮の角質層の脂質と頭皮が分泌する脂質を逆手に取って利用すればよい!」そろそろ隙間が目立つ脳みそが閃きました。要するに、投与したミノキシジルを角質層や頭皮周囲に存在する脂質(油分)に移動させ(溶け込ませ)れば、頭皮が白く粉を吹く事もないだろう。ミノキシジルを溶かした成分(溶媒)が乾燥する前にミノキシジルを頭皮に送り込んでしまえば良いだけの事!(これを専門的には二相分配の原理と呼びます)。大きな問題は一つクリア出来る見通しが立ちました。でも、ミノキシジルが溶ける溶媒は限定されているから、選択の余地はありません。後はその使用感の悪い溶媒を使っても、すっきり乾燥してさっぱり感を出せる水溶系の外用剤を作ることでした。

溶かす事に始まり、溶かすことに終わる。

 物を溶かすと言う技術は、結構高度技術の範疇に入ります。新たな医薬品を作るための溶解技術研究のために、ISS(国際宇宙ステーション)等を使う位です。その位、物性と重力を人為的にコントロールして均一に溶かす事は困難な技術です。私たちも若かりし研究に没頭していた時、担当教官からは研究に必要な物質を目的通り溶かせたら、研究の60%は成功すると教わっていました。結構外部では格好良く、頭良く難しい研究をしている様に見られているみたいですが、実は「溶けない!溶けない!」で騒いでいる時が多いです。
 ミノキシジルゲルも基本は溶かす事に始まり、溶かす事に終わりました。ある化粧用の成分を少々多めに加えると一気に使用感が向上しました。これもミノキシジルを溶かす溶媒は幸い肌に馴染む溶媒に良く混ざる事が解り、溶かす!がキーワードでした。
 かくして奮闘・努力?の結果、透明なゲルが出来ると言う、思わぬ副産物も生まれましたが、取り敢えず現場のスタッフにも患者さんにもダメだしされないミノキシジルゲルの完成です。
 肝心の効果が気になるところですが、垂れず、広がらず、使用局所に限定し、個人差はありますが、確実な効果が出ており、一安心しております。

井上 肇

■略歴
聖マリアンナ医科大学特任教授、日本抗加齢医学会評議員、日本再生医療学会評議員、
薬剤師・薬学博士・医学博士。

星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。
聖マリアンナ医科大学形成外科学教室助手、講師、准教授ならびに幹細胞再生治療学(ANGFA(株)寄附)講座代表を経て現在、同大学形成外科学教室内幹細胞再生医学(ANGFA寄附)講座特任教授及び講座代表。
幹細胞を用いた再生医療研究、毛髪再生研究、食育からの生活習慣病予防、アンチエイジング研究を展開。

F.M.L.関連診療施設では、頭髪・頭皮の状態は勿論のこと、身体の内側まで検査し、一人ひとりに適した治療方針を患者様へ提案いたします。

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世界初「ゲルタイプ」のミノキシジルの開発


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