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ガリヤ 2001年12月号
ガリヤ

1987年の退官まで九州大学で教授を勤めた中溝院長は、教授時代に皮膚病を患った頭皮の治療に関わったことがきっかけで、早くから頭髪治療にも着目するうち、「これは難病だ」と感じるようになりました。しかし、この九州スカルプクリニックを開くまで一般の病院内で「薄毛(円形脱毛症をのぞく)の患者さんは見たことがない」と言われるのです。こたえは簡単。来ても診てもらえないから、そもそも「(その手の患者さんは)病院に来ない」のだそうです。髪の悩みを持つ人達が相談できる「医療体制」がなかった日本の現状の中、中溝院長は切実に思い悩んだと言います。院長が言う「医療から見捨てられた悩み」は、社会のどこをさまよっていたのでしょうか?「そりゃ、市販の育毛剤に頼るか、それでだめならカツラ・メーカーに駈け込むしか方法がなかったわけですよ」開院以来二年で、千七百人もの患者さんがこのクリニックで治療を受けています。それでも「まだ、メディカルな治療の存在を知らずに悩んでいる人も多いのでしょうね」薄毛治療の患者へのアプローチが、発毛サロンや製薬会社、カツラメーカーに大きく立ち後れた要因として、中溝院長は、社会一般に薄毛が「病気」と認知されなかったことをまず挙げます。


病気とは、平たく言えば「命にかかわる病が保険制度化の常識。つまり、薄毛は保険治療の対象外ですから、まず一般の病院では診てもらえませんし、医師にもその知識が十分あるとはいえません」これからの医療は従来の保険診療に加え、欧米並に医師の裁量と責任で料金や薬を決めることができる、自由診療を幅広く認めていくべきでしょう、と先生は提言しています。しかし自由診療制度は日本ではまだ馴染みが薄いのも事実。利用者がもっとも気になる同医院の料金体系をとってみると、初診料の目安は検査費込みで一万五千円。二回目以降は治療薬の処方を含めて三万円と設定しています。通院はだいたい月一度が普通です。初回は必ずカウンセリングがあり、同時にクリニックの治療システムをていねいに説明してくれます。そのうえで患者の同意が得られれば、初めて血液検査をはじめ体全体の健康チェックから入るシステムです。


薄毛の原因は人それぞれですので絶えず患者と話し合いを重ねながら、丹念に頭皮に負担をかけている要因を探し、治療し、生活全般にわたる細かいアドバイスもします。だいたい発毛治療を始めてから成果がみえるまで半年〜一年という時間がかかりますが、発毛の実績は約八割。欧米で開発された最新の薬、体質別に応じた薬用シャンプーなどの処方効果はもちろんですが、やはり健康状態から見直す体質改善指導による効果も無視できません。


また、同医院は日本における頭髪治療をさらに発展させるために設立された研究グループ「F.M.L=Future Medical Laboratory」に所属しています。中溝院長は、その理事長も努めています。このF.M.Lにはさまざまな分野の専門医師が参加しており、活動成果として、医療用シャンプーやリンス、ビタミンやミネラルを配合したサプリメントなどを独自に開発してきました。それにより各クリニックでは、詳細な診療に基づいた、きめ細かい処方が一段と向上しました。くわえて欧米で実証済みの医薬品や治療法を、いち早く取り入れる試みもなされています。「患者にとって最大の不幸は(欧米で効果が立証された)薬の使用がままならず、医学的なケアを受ける受け皿が日本に整備されていなかったこと」そんな問題に「F.M.L」を通じて取り組み、九州スカルプクリニックを「患者と医療ケアを結ぶ接点」にしたいと中溝院長は考えています。


GaRiYa NO.142
【発行日】2001年11月末
【発行所】(株)ガリヤ
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