患者の多様な悩みに対応、独自技術で腕振るう
紫外線が強くなり抜け毛が気になる季節―。汗や湿気の影響で頭皮は深刻な状況に陥る。病院やサロンでは髪の悩みを抱える患者の相談が増加する時期である。「増毛」「育毛」「かつら」と選択肢はあるが、専門病院や民間企業がそれぞれ提供するサービス内容にも、個人の事情に合わせた多様化が進んでいる。(植松理恵)
「ここ数年、女性の問い合わせも増えている」と脇坂ナカツカクリニック(大阪市北区)の脇坂長興院長は最近の傾向を話す。同クリニックは関西地区で唯一という頭髪治療の専門病院だ。99年の開業以来、来院者の延べ人数は約10万人に上り、予約は現在3ケ月待ちの状態。06年の来院者数1209人のうち199人が女性で、全体の傾向としては20−30代の患者が大半を占めている。
脇坂院長は「なぜ脱毛するか原因は分かっているため発毛は可能」と指摘する。同クリニックの場合、薬の処方から食生活の指導まで総合的な治療提供を行う点が特徴。治療開始から2カ月−3カ月で頭皮に変化が生じ、患者の8割に改善が見込めるという。
症状に合わせ薬調合 脇坂ナカツカクリニック
治療に使う外用薬は大正製薬が発売する発毛剤「リアップ」の有効成分ミノキシジルの濃度を上げて処方する。一般用医薬品のミノキシジル配合率が1%に対し、脇坂クリニックでは患者に合わせて2%、4%、6%まで濃度を高める。
内服薬は米メルクが開発し万有製薬(東京都千代田区)が05年に国内発売した男性型脱毛症用薬「プロペシア」(一般名フィナステリド)を処方。同薬は男性型脱毛症に関与するホルモンの働きを抑え、脱毛進行を抑制する。
治療は1カ月に一回の受診で、費用は保険適用外のため月約3万円。食生活や生活パターンの指導もある。育毛サロンの年間150万−300万円の料金に比べると低料金といえる。