健康講座・男性のためのヘアケア
日本の成人男性の3人に1人は髪の悩みを抱えているという。
秋は抜け毛が増えてくる季節だが、髪の毛とはできるだけ長くつき合いたい。
髪に関する正しい知識とヘアケアの基本を、
総合的な頭髪医療を提供している城西クリニックの小林一広院長にうかがった。
抜け毛が秋と春に増えるのは自然現象
夏に浴びた大量の紫外線などによるダメージから、秋に増えるといわれる「抜け毛」。シャンプーのたびに、あるいはブラッシングの
たびに見つける抜け毛に、このまま薄くなってしまうのではと、不安にかられる人も多いのでは?
しかし、「秋に抜け毛が増えるのは自然現象。気にする必要はない」と小林院長。犬や猫などの毛が冬毛や夏毛に抜け替わるのと
同じことだという。
同様に、抜け毛の大きな原因といわれる頭皮の毛穴に詰まった皮脂についても、「あまり神経質になる必要はない」と指摘。
毛穴のつまりが原因で誰もが薄毛になるとは限らないという。
「皮脂が問題になるのは、脂漏性皮膚炎という皮膚の病気です。皮膚に常在している真菌というカビの一種が、皮脂を栄養源に増えすぎる
ことで皮膚に炎症が起きるもので、頭皮に起こるとフケ、かゆみといった症状がでて、その状態が続くと抜け毛が増えてきます」(小林
院長)
男性は女性より皮脂の分泌が多いだけに、フケやかゆみがなかなかおさまらない場合は皮膚科で診てもらったほうがいい。
バランスの取れた食事、十分な睡眠も大切なヘアケア
というのも、男性型脱毛症に限らず、薄毛、抜け毛には食事や生活習慣なども大きく影響しているからだ。たとえば、ストレス。
過度のストレスは自律神経のバランスを崩して、血管が収縮。血行が悪くなるため、髪に栄養が運ばれにくくなる。また、栄養バランスの
悪い食事は髪の毛に必要な栄養が不足しがちに。薄毛や抜け毛には遺伝的な影響もあるが、以下に生活習慣も含めたトータルなヘアケアの
方法を紹介しよう。
●食事 髪の毛はタンパク質の塊。良質のたんぱく質を含む食品を多くとり、髪の毛の成長に不可欠なビタミンやミネラルも積極的に摂取。
コツは肉、魚、牛乳、豆類、野菜、海藻、果物と、なるべく多くの種類の食品を食べること。
●睡眠 髪の毛は午後10時から翌午前2時頃にかけてもっとも成長する。なるべくこの時間には熟睡していたい。
●タバコ ニコチンは末梢の血管を収縮させるので、頭皮への血流も悪くなる。できれば禁煙を。
●シャンプー シャンプーは本来頭皮を清潔な状態に保つためのもの。爪を立てずに指の腹だけを使ってやさしく洗おう。フケや皮脂は
シャンプーの泡に溶かし込むことによって落ちる。そして、すすぎは十分に。基本的には1度洗いでよく、その時の汚れの
状態や汗のかき方などに応じて2度洗いに。また、シャンプーの種類は頭皮の状態に合わせてオイリースキン用、ドライ
スキン用と選ぶのが理想。
●リンス 毛穴周辺に残さないよう、きちんとすすぐ。
●マッサージ 血行をよくするためにはよいが、やり過ぎは禁物。頭皮を傷つけてしまうこともあるので、ほどほどに。
●育毛剤 大きく分けて、「毛母細胞の活性化」タイプと、「頭皮とその周辺の血流改善」タイプがあるが、髪の毛が細く短くなってきて
いると感じられる場合は前者、体調を崩すなどしていて髪の毛に栄養が十分に届いていないのではと感じる場合は後者が向いて
いる。いずれも6カ月間は使ってみることが大事。
「女性の場合は出産前後で抜け毛が増えることがあり、閉経前後にも薄毛に悩む人が増えます。これは明らかに女性ホルモンのバランスの
崩れによるものといえます。ただ、男性にしても女性にしても、心身ともに健康であろうとすることが髪にとってもいちばん望ましいこと」
と小林院長。これからは抜け毛や薄毛への強迫観念にとらわれず、毎日楽しく元気に過ごしたほうがよさそうだ。