迫りくる薄毛の恐怖・・・あなたは悲観しすぎ?それとも楽観しすぎ?
「犬や猫の毛が季節の変わり目に生え変わることはよく知られていますが、人間にもわずかに、人間にもわずかに、そうした原始的なサイクルがあるようです。また、今年の夏は特に暑さが厳しかったので、紫外線の影響や体調不良により、頭髪や頭皮の状態が悪化してしまった人もいるかもしれません。頭髪をまったく気にしていない人なら、気づきもしないレベルのことですが、逆に、頭髪を気にしている人が心配になる気持ちもよく分かります。実際、当クリニックの来院者数が最も多いのが、10月前後ですから」城西クリニックの来院者を世代別にみると、薄毛の悩みは若い世代にこそ多いといえる。いくら鏡を駆使しても、自分の頭全体をよく見るのは難しい。わからないからこそ不安なのだ。
「朝起きたとき、枕に抜け毛が何本も落ちているのを見て不安になったり、洗髪時の抜け毛を気にする方も多いと思いますが、
何本以上抜けていたら以上、という目安はあまり意味がありません。そもそも抜け毛を正確に数えることなどできませんし、
健康な人でも、一日100本程度の毛が抜けるのが普通です。また、年齢と共に頭髪が細くなったり、コシが弱くなったり、
ボリュームダウンするのも自然なこと。薄くなったかどうかというのは、結局、本人の主観によるところが大きいのです」
現に、小林さんのクリニックを訪れる人のなかには、フサフサな頭髪の人も新患のおよそ2割いるのだとか。
それでも本人が気になるというなら、その不安を取り去るのも医師の役目だ。専門的な検査の結果を得て安心できるなら
それもひとつの医療といえるのかもしれない。
「もちろん、なかには医学的な治療をした方がいい”脱毛症”の方もいます。頭髪が短期間のうちに極端に減ったり、
部分的に薄くなったと感じたら、一人で悩まず、専門の医師に相談してみてください。薄毛や抜け毛に関しては、
医学的にわかっていないことが多く、そのため、たくさんの風説がありますが、治療が必要かどうか、
自己判断するのは難しいでしょう。原因はひとつではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合っているので、
そのひとつひとつを把握する事が治療の第一歩となります」
不確かな情報で頭髪の将来を悲観するよりも、まずは正しい知識を持って、薄毛&抜け毛対策に取り組もう。
ヘアサイクルが崩れると頭髪の本数は同じでも「薄毛」になっていく
「ヘアサイクルのバランスが崩れる原因はさまざまですが、男性にもっとも多い『男性型脱毛症』の場合、DHT(ジヒドロテストステロン)という物質が主な芸いんだと考えられています。DHTは、5α‐リダクターゼという還元酵素によって、男性ホルモン(テストステロン)から作られる物質で、毛今を委縮させる強い力を持っているのです」
親父もハゲてるからオレも絶対ハゲるんだ・・・
親父もハゲてるからオレも絶対ハゲるんだ・・・などと絶望するより、積極的に情報を収集し、治療やセルフケアなどの
選択肢を増やしておくことの方が重要だ。ちなみに、男性型脱毛症の治療は、薬物療法がメインとなる。「主に使われるのは、フィナステリド(商品名はプロペシア:飲み薬)とミノキシジル(飲み薬・塗り薬)という薬です。前者は、前頭部や頭頂部に多く分布する5α‐リダクターゼU型の働きを抑制してDHTの増加を防ぎ、男性型脱毛症による薄毛、脱毛の進行を食い止める働きがあります。後者は、日本でも市販されている『リアップ』などの主成分でもあり、末梢の血流を改善し、髪を太く、長くする作用のある育毛剤です。こうした薬に合わせて、頭皮の健康状態を改善する薬や、頭皮をケアするシャンプーを使うこともあります」
薬の効果が出始めるのは・・・
薬の効果が出始めるのは、早くて3カ月、確かな効果を得るまでには、通常6ヵ月から1年を要す。また、1年以上薬を使い続けることで、その後もどんどん髪が増えていくというわけではなく、限界はある。「頭髪治療のゴールは、患者さんが”頭髪で悩まない”状態を回復すること。そのためには、メンタル面も含めた総合的なケアが 必要になってきます。先にあげた薬が万人に聞くとは残念ながらいえませんが、定期的に診察を受けて、頭皮や頭髪の状態を把握し、食事などの生活習慣や、頭皮ケアを見直すことで、8割以上の方は何らかの効果を得られると思います」
知っておいて損はない、発毛を促進するためのトータルケア
「円形脱毛症はどちらかというと女性に多い疾患ですが、逆に男性に多いのは、過剰な皮脂と真菌(常在菌)によって頭皮に炎症が起こる『脂漏性皮膚炎』です。これを放置すると、表皮のトラブルを起こし、髪の毛が抜けやすくなることがあるのですが、抗菌剤や、抗菌剤入りのシャンプーを使用することで、改善することができます。フケやかゆみなどの症状が目立つ場合は、この病気である可能性が高いので、皮膚科の診察・治療を受けるようにしてください。ただ、フケや皮脂を除去しようとするあまり、千発時に頭を強くこすったりするのは、余計に頭皮が荒れてしまって逆効果です。シャンプーは一日1回”やさしくていねいに”を心がけてください」体に悪いことは、だいたい頭皮や頭髪にも悪い。あせって薬に頼るより、まずは生活を見直し、薄毛のリスクを減らしていこう。