ミマン 2003年1月号
●抜け毛や薄毛はどこまで治せる?
加齢の影響は髪にも現れます。最初は直毛だった髪が、ねじれたり、次に現れるのが、薄毛です。更年期を過ぎると誰もが髪が薄くなってくるもの。それに加えて長年の間違った手入れやストレスが重くなると、頭皮の炎症や荒れからくる抜け毛や薄毛、円形脱毛症などになることも。美しく豊かな髪を守るためにも、正しい知識と手入れ方法を知っておきましょう。
●薄毛が早いか、遅いかは遺伝子検査で調べられるようになる?
既に男性では遺伝子検査によって、将来、薄毛になりやすいかを調べられるようになりつつあります。「女性の検査はまだ実用化されていませんが、これも時間の問題」と、脇坂ナカツクリニックの脇坂長興先生。
●加齢だけではない薄毛の原因、まずは診断してもらうのが大切。
特に抜け毛がひどいということもないのに、少しずつ薄くなって地肌が透けて見えてきたような…3本髪が生えていたのに、加齢が進むにしたがって1本しか生えなくなってくるのが薄毛の原因です。いまだにしっかりした原因は不明。長年、紫外線などに痛めつけられた毛根が、女性ホルモンが減少することにより薄毛が加速するそう。女性ホルモンが、減少しない「男性型脱毛」という生え際から頭頂までの部分が薄くなる薄毛もあるといいます。
●抜け毛を気にするよりも生えてくる髪を多くする
薄毛に気がつくと、抜け毛が急に気になるものです。なかには、洗髪する回数を減らす人もいるほど。「無理に引きぬくのではない限り、シャンプー程度で抜ける髪は、寿命の尽きた髪なんです。」と脇坂先生。人間は普通でも一日に50本から100本前後は髪が抜けるものだそうです。地肌が汚れていると市販の育毛剤や治療の為の育毛薬などが浸透しにくくなります。毎日一度正しいシャンプーをすれば、地肌の汚れが取れ、マッサージ効果も期待できます。問題は抜ける髪よりも生えてくる髪が少ないこと。薄毛は、60代70代になれば、誰もが経験する悩み、薄毛が気になり始めたら、早めに診断を受け正しいヘアケアの知識をつけましょう。
●サプリメントと育毛剤で徐々に髪を増やして
今、薄毛治療で注目されているのは、サプリメント。発毛に必要な亜鉛やビオチンなどのミネラルとビタミンです。サプリメントを飲み、ミノキシジルという発毛効果のある育毛薬を塗布。このミノキシジルは、リアップという市販の男性育毛剤にも使われている薬剤です。「今はまだミノキシジル配合の女性用育毛料は発売されていませんが、既に検討に入っているはず。男性だけでなく女性にも効果的です。」と脇坂先生。ただし頭全体に効くというのではなく、生え際の産毛を増やしたり、頭頂の薄毛に効くそうだ。サプリメントの服用とミノキシジルを塗布する治療は、加齢による薄毛にも男性型脱毛にも効果的。治療の目安は大体半年位〜1年ぐらいだそうだ。
●ホルモン治療で薄毛をストップ
もう一つ、おすすめの治療法が、ホルモン治療。更年期による女性ホルモン、エストロゲンの減少による脱毛を抑え、同時に更年期のさまざまな不調を調整します。「微量の女性ホルモン、エストロゲンを補充することで、体も楽になって、脱毛も止めることができるから一石二鳥ですね」と小林先生。ただし、ホルモン治療は発ガンの可能性を高める心配があるため、きちんと検査機能があるクリニックを選ぶべき。
●加齢による薄毛は、まず脱毛を防いで現状維持
「更年期に入って月経が止ったことで、薄毛をはじめとした老化を意識しすぎる人も多いんです。」と小林先生。それほど脱毛する量が増えたわけでも、極端な薄毛になっているわけでもないのに、若い頃と比べて悩み、うつ状態になってしまう人もいるのだそうだ。「でも、それでは、今の自分を否定してしまうこと。今の自分をより良くするために、また、薄毛が気になる人は薄毛を進ませないために、治療があると思えば心強いはずです。ただ、加齢による薄毛治療は、目覚しく髪が増えるわけではありません。どちらかというと、今の髪をこれ以上少なくしないための治療と考えてください」と小林先生は言います。既に紫外線や刺激など、いろいろな要因で弱ってしまった毛根は、若い頃と同じには戻りません。だからこそ早目に毛根のケアが必要に。今は、気にならない人でも、加齢が進むにつれ、薄毛は必ず訪れます。正しいヘアケア方法をチェックし、今ある髪を守っていきましょう。
●ひどい時には、髪全体が脱毛する円形脱毛症
更年期はホルモンの不調から、気持ちが落ちこんだりしがち。それが続くと、人によっては円形脱毛症に。円形脱毛症もはっきりとした理由は不明。今のところ、うつ状態になりやすい人、悩みを長く引きずってしまう人がなりやすいといわれています。髪が抜けたことで、さらに気に病むという悪循環に陥ることも。「そういう時に治療で髪が生えれば、気持ちも明るくなります。」と小林先生。
●早目に治療すれば、意外に早く治ります。
「髪の治療は、髪が伸びてきて初めて結果がわかるもの。結果が出るまでに2、3ヶ月はかかりますが、生え始めると弾みがつくという面があります。」と小林先生。髪が伸び始めると、治療にも積極的に。それだけ結果も出やすくなるといえます。
治療方法は、薄毛の治療にも使う育毛薬に、炎症を止める薬やステロイドなどが使われます。精神的な負担を減らすためには軽い精神安定剤、不眠症の人には入眠剤が処方されることも。治療薬に何を使うかは、先生方の方針により変わりますが、疑問や不安に思うことは何でも質問して。「大切なのは、いかに心を開いて自分の状態や不安を話せるかどうか。医師を探すときは、相談しやすいかどうかが大切なんですよ」と脇坂先生。自分の状態をきちんと話せなくては治療の成果も上がりづらくなります。また、処方された薬に納得できずに、自分の判断で勝手に服用をやめてしまうと、治療の成果が出てきません。きちんと説明を受け、治療や処方薬に納得しておきたいもの。それが、いちばん早く円形脱毛症を治す方法でもあるのです。
●正しいシャンプー法が髪と地肌を守ります。
今、薄毛に悩んでいなくても、おそらく将来、髪が薄くなるのは避けられません。現在の髪の量を減らさないためにも、今一番正しいヘアケア法をチェックしましょう。
まずは、シャンプーですが、頭皮へのマッサージ効果があるので、毎日洗っても大丈夫です。大切なのは、決して頭皮に爪をたてないこと。そして、すすぎはしつこいぐらいにしっかり行いましょう。基本的に頭皮をきちんと洗えば、髪は特に洗わなくても、泡がおおうぐらいで汚れは落ちるのだそうだ。髪をごしごし洗うと痛みの原因になるので要注意です。
トリートメントやヘアパックなどは、髪の根元につけずに、毛先に重点的になじませるようにします。髪につけて一定の時間をおけば、必要なトリートメント成分が髪に残るように作られているので、しっかり洗い流しても大丈夫です。逆にトリートメント成分が頭皮に残ると、それが毛穴に詰まって抜け毛の原因になることもあるので気をつけて。もともとトリートメントは、髪をなめらかに保つためのもので、頭皮には必要ないものです。乾いたときにまとまりづらいようなら、乾いた状態でつけるトリートメントを毛先になじませるのがおすすめです。
ミマン
【発行日】2003年1月1日
【発行所】文化出版局










































