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宝島 2004年1月25日
宝島
最新研究リポート

「ハゲ」「薄毛」治療革命

飲むハゲ薬「プロペシア」と「DNA解析」で治る脱毛や薄毛に悩む人が急増している。その数推定1500万人。だが一般的な男性型脱毛についての発症要因は不明な部分が多く、100%有効な治療方法はまだ確立されていない。だが、最新の脱毛医療の現場では光明が見え始めている。

ハゲはホルモンが関与プロペシアで原因を抑制

現在の研究では、脱毛症・薄毛は、「男性ホルモン」「遺伝」「ストレス」「食生活」などが原因と考えられている。しかし「男性ホルモン説」でさえ、紀元前の哲学者・アリストテレスが「男性型脱毛は男性ホルモンとなんらかの関係がある」と説いて以降、2000年以上も解明されていないほど難解なメカニズムだった。しかし近年、遺伝と並び脱毛の主要原因といわれる男性ホルモン型のメカニズムの解明は大きく前進しているという。最新事情を皮膚科、形成外科、産婦人科、精神科がコラボレートした日本初の総合頭髪治療センター「城西クリニック」の院長・小林一広氏に聞いた。「男性型脱毛症はホルモンの一種であるジヒドロテストテロン(DHT)が毛根細胞に影響を与えるため、細胞の増殖・分化・機能発現などが低下して発症すると考えられています。そのため毛根細胞の機能低下を防ぐことが、現在有効な脱毛・薄毛治療の方法の1つとなっています。治療に用いるDHT抑制剤はフィナステリド(米商品名・プロペシア)という薬剤です。」プロペシアは、発毛にいたるメカニズムが唯一、医学的に証明されている発毛剤だ。米食品医薬品局(FDA)で承認され、わが国でも治験が終了し、承認が待たれている。もともと、前立腺肥大の治療薬として開発された薬だが、副作用として異常発毛をみたことから発毛剤として用途が広がったというわけだ。同クリニックでは、毎月1000人を超える男性患者の多くにプロペシアを使用し、発毛兆候が現れているという。さらに、休止期毛が成長期毛に変化する際に生じる新生毛包細胞群の増殖を活性化させて発毛効果を得るミノキシジルも発毛治療には効果的とされる。同クリニックでは、ミノキシジル2%含有製剤をオリジナルで処方している。だたし、残念ながら自由診療になる。初診料は1万5000円(5000円は血液検査などの検査費)。その後は、30日分の薬代込みで、月1回、最大3万円の診察料でかかる。国内では「ハゲ」「薄毛」は生命にかかわる病気ではないため、保険診療を認められていないという。同じ理由で新薬の承認申請をしても、後回しにされがちだという。「治療を始めるにあたり、血圧測定や採血で薬剤投与に問題がない状態か検査します。また、脂漏性湿疹や接触性皮膚炎など、頭皮に合併症がないかも診察します。これらの検査で異常がない場合、症状別に経口剤のフィナステリド、もしくは外用薬のミノキシジルを処方しています」(小林院長)

検査とカウンセリングが薄毛を治す重要な手段

同クリニックを訪ねる人のなかには、プロペシアやロゲインを米国から個人輸入して使ったが、適切な使用をしていないため効き目が薄かったり、頭皮に合併症を患ってしまった人も多いという。「治療効果に個人差はあるものの、月1度診察を受けて薬を使用いただくと約6〜8ヶ月で発毛(改善)の兆候が見られることが多いのです」やはり良薬も専門医のもとで適切に使用しなければ効果的ではない。また、城西クリニックの月間患者数は男女合わせて約1500人数えるという。約8割が男性だ。最近の傾向は、薄毛治療の中心となる20後半〜30代前半男性のほか、10代でも「思い込みハゲ」に悩む人も増加してきているという。一般に「ハゲ」といわれる症状の定義はないため、コンプレックスからくる心の病と診断されるケースも多い。「抜け毛の多さや、将来、毛髪が薄くなるのでないか等の心配で来院する若い人が目立ちます。このような人はストレスが自律神経の働きに影響を与えて毛細血管を縮小させ、頭皮の血行を悪化させる。その結果、また髪が抜け、さらにストレスが溜まるといった悪循環に陥っている可能性があります。そのためメンタルヘルスケアが必要です。」精神科医による心身両面からのカウンセリングにより、患者1人1人の悩みを解消する。このような治療方針は、従来の脱毛症・薄毛治療では行われていなかった。これも最先端の頭髪医療の1つだ。

再生医療やバイオによりハゲは将来治る病気だ

最近注目されている医療研究の1つに、再生医療が挙げられる。自分の細胞を培養して皮膚や臓器のクローンを
作り、そして自身に移植して治療するという技術だ。また研究過程であるが、際限がないの毛髪の移植の可能性
が広がるといえよう。自毛植毛法による植毛は、自分の後頭部の自毛2000本程度の移植しか手立てがなかっ
た。だが、自分の毛母細胞を培養して移植できるのであれば、生毛植毛もよる移植治療こそが、脱毛症や薄毛治
療の主流となって考えられている。
さらにバイオテクノロジーによる遺伝子研究も盛んに行われ、すでに薄毛の原因に関与すると考えられる遺伝子
も見つかっているのだ。遺伝子のメカニズムが解明されていくほど、有効なゲノム創薬が誕生していき、最終的
には特効薬というものも完成するのかもしれない。
日本に有効な薬がない為、保険診察も受けられない「脱毛症」や「薄毛」だが、これで悩んでいる人は多かった。だが、医学、科学の進歩により、将来的には確実に治る病気になっていきそうだ。


宝島
【発行日】2004年1月25日
【発行所】株式会社宝島社
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